花の命は短くて

桜が散っていく様を形容する言葉は
「ひらひら」
「はらはら」
「ひらり」
とさまざま。

けれどこれらは、そう見えると言うだけで実際我が耳で聞いたという人、となるとわたしは聞いた事がありません。

桜の花といえば、静かな散り際がまた趣深いところでもあるのですが、わたくししある花の散る声を聞いた事があります。

それは子供の頃、一人で家に居た時のこと。

「ギュー」と言う音が聞こえて来るので振り返ると、なんと一輪挿しのチューリップが捻られるように動きながらその音を立てているのでした。

そして茎がみるみるしなだれて一枚一枚花びらが落ちていきました。

とにかく筆舌し難いその音、蛇口をひねる音?ペットボトルを潰す音?
いや、どれもちょっと違う。

その一部始終を眺めながら花は生き物なのだと改めて思ったのと同時にとても怖くなりました。

その音がチューリップの悲鳴にも聞こえて、今でも耳に残っているのです。

 

コメント

  1. チューリップの葉の材質からして確かに出そうな音ですね。

    発泡スチロールが近いのかなぁ?

    この間会社の桜に強い風が吹いて一気に花びらが散った時に「ブワッ!」という音が聞こえた気がしました(^-^)

    植物も確かに生きている。

  2. ちぃなべさまへ

    「ブワッ!」はわかるかも。
    なんとなくカイゲンの、風の神様も思い浮かべましたが。

    わたしが聞いたチューリップの音は小動物が絞められるような声でもあったような気がします。

  3. ちーなべ

    なお姉
    シュールだわ(^^;)

コメントを投稿する