Archive for 8月 16th, 2011

スキャットの悲劇

歩くのが好きな私は、イヤホンで音楽を聞きながら徒歩で通勤しております。

つい先日も、お気に入りのEGO-WRAPPIN’のナンバーを聞きながら、そりゃあもうゴキゲンに出勤しておりました。

書類コピーのおつかいを果たすべく、コンビニに立ち寄った時のことでございます。

燻し銀のギターソロに、よっちゃんの軽快なスキャットも最高潮に達した頃、コピー機に原稿をセット。
小気味良く小銭を投入し、キー操作も軽快さ。
小粋なスウィングに酔いしれつつ、順調に排出されゆくコピーを眺めておりましたところ。

ふと視線を感じ、顔を上げると…

店員さんと目がバッチリ。

ハッと我に返る私。

ここで初めて、ノリノリで鼻歌を歌っておった自分に気付いたのでありますな。

店員さん、やや苦笑い。

気まずい…!

コピーが完了するまでの間のどれ程長かったことか…。
素早くおつり返却ボタンを押しつつ、原稿を回収して立ち去ろうとした時。

こんな時に限って、前のお客さんのおつりの取り忘れがあるのですね。
100円…。

仕方なくレジに向かい、100円玉を店員さんに差し出し、
「すいません…。コピー機におつりが残ってたんですが…」
急にクールに振る舞うのも かえってわざとらしいので、平静を装い、あくまでにこやかに。

その店員さんは出来たお方で、全てを察したように優しく微笑んで受け取って下さいました。

しかし、私の笑顔は不自然だったに違いない。
賢しい私の心境も見透かされていたに違いない。

もう、いたたまれない…。

とはいえ、その後もEGO-WRAPPIN’で出勤したのですけれど、ね。

調子外れなスキャットで飄々と歩く変なのを見かけたら、それは私です。

どうぞ、そっとしておいて下さいませ。